サックスの音作りはチームワーク
サックスという楽器はほかの楽器に比べて歴史の浅い楽器です。約200年ほど前にベルギーのアドルフサックスさんが発明した楽器です。
金管楽器のように華やかで大きな音量がだせて、
木管楽器の様なやわらかく温かい音色もだせる、
テーパー(引き延ばしたときに円錐形になる形)をつけることで
より幅広い音色と表現力
つまりサックスとは非常に現代的な要素を多数兼ね揃えた楽器なのです。
ではその音色はどんな要素によって決まるのでしょう?
1、演奏者のブレスのスピードや息質
2、リードの種類やマウスピース
3、アンブシュアの形
4、楽器の材質(マウスピース、リガチャー含む)
5、演奏者の姿勢と楽器の構え方(力の入れ具合)
6、表現によるイメージ
7、曲によるイメージ
つまりサックスの音?とは何でしょう?
良い音とは本当に多くの要素によって決まるものです。
ここでは基礎練習の部分で考えるべきポイントに絞って
良い音(安定した音色)の出し方について解説していきます。
よく理解していただきたいのは単純にアンブシュアを変えたらいい音になるとか
マウスピースを買ったらいい音になるという単純なものではありません。
クラリネットもフルートもトランペットもみんなオーケストラに入っています。ということはハイドンやベートーベンの時代にすでにあの形になっていました。そこに至るまでの前身となる楽器を含めたらやく1000年の歴史があるといっても過言ではありません。
呼吸や姿勢、リード、アンブシュアとマウスピースなど
様々な要素が絡みバランスが大切、チームワークで
良い音を作っていくという考え方が大切です。
目次
- ①楽器の構え方
- ②良い呼吸法とは良い姿勢で作る
- ③アンブシュアと姿勢は関係ある?
- ④アンブシュアを柔軟にするための工夫
①楽器の構え方
☆大切な考え方
自分自身の姿勢を整えて深く呼吸をする練習をします。
楽器を構える前に自分自身の姿勢が安定していてリラックスしている事が
大前提となります。サックスを構え、演奏する際にもその姿勢を崩すことのないように気をつけましょう。
もし上手に楽器を構えて、かつ自分自身を支えるのが安定していたら
演奏していて楽器が浮いてくるような感覚さえ覚えるでしょう!
サックスの練習で低音や高音、タンギングなど様々なトラブルを
迎えたときに一番に疑うべきは姿勢と構え方です。それを踏まえた上で
楽器の構え方を練習していきましょう。
1、左右の親指を立てる
2、サムフックのネジに添える(まだ持たない)
3、サムレストに左手の親指を添える(軽く)
4、両手で楽器を前に押していくと同時に上半身を後ろにそらせる
(ストラップがぴんと張る状態となります)
5、ストラップの長さを調節してマウスピースが口の目の前に来るように
合わせていきます。
(この時に再度自分の体幹や背筋が曲がっていないか?
胸を張れているか?をよく確認してください)
②良い呼吸法とは良い姿勢で作る
サックスを吹く際に良い音を出すには良いブレス(息の吐き方)が
とても大切です。当たり前のことですが呼吸とは吸って吐く事が
必ずセットになりますね。
極端な話、片足で立って、片手に並々に水の入ったグラスを持っていたら
良い姿勢を保つことは難しいですね。自分の体を支えるうえで安定した姿勢をとることが重要です。
安定とは左右のバランス、必要最低限の筋肉だけで支える。
これが大事なことです。それを踏まえた上でバランスのとれた
安定した姿勢を作っていきましょう。
1、背筋を伸ばして前をみてまっすぐに立ちます
(下を向いてはいけない)
2、つむじから、つま先まで一本の線でつながっているようなイメージ
3、目線はまっすぐ前を見て少し顎を引く
4、腹筋と背筋をしっかりと使い上半身を支える
☆確認
こんな感じで自分の姿勢を作っていき、例えばトランポリンの上に立っていても転ばないくらい自分自身を安定して支えられているか?
誰かに横から?後ろから押されたとしても少々は踏ん張れるか?
あるいはすぐに体制を整えなおせるような柔軟性があるか?
こんなことを確認していきましょう。
サックスはストラップを使って左右の腕で楽器を支えていますが、
上達してくればくれるほど手の力は抜けて体幹で支えている感覚になります。その時に体幹がしっかりしていないと、呼吸も出来ませんし楽器を支えるだけで疲れてしまいます。場合によっては腱鞘炎や、アンブシュアに大きな負担をかけてしまいます。
③アンブシュアと姿勢は関係ある?
アンブシュアとはマウスピースのくわえ方のことをさします。
とはいっても上手にアンブシュアをするためには体を使った方が良い。
とはわしは思っています。
☆基本の考え方
1.マウスピース上部に上の歯を当てます
2.下唇をしたの前歯にしっかりと巻きます
(シングルリップ)
3.唇のピンクと肌色の境目あたりをリードに当てます
4.顔全体の筋肉をつかってマウスピースをホールドし、
息が漏れないようにします。
この時によくやりがちなのが”上下に顎の力で噛む”ということです。
リードには多少力がかかって発音していきますが、
噛んでしまうとキンキンしたり、リードミスをすることになります。
アンブシュアを柔軟に保つことが良い音を出すのに大切なポイントです。
④アンブシュアを柔軟にするための工夫
楽器の構え方とアンブシュアをセットで考えていきましょうー
ぽいんと①楽器が安定している方が咥えやすいです!
つまりは顔の周りに浮遊するマウスピースをくわえようとするなら思わず力が入ってしまいますよね?しかしピッタリと固定されて動かないものだったらそっと顔を近づけて、フワッとそえる程度にすることができます!
ぽいんと②首や喉の筋肉と唇の筋肉はつながっている!
…ということは体が猫背になっていたり、無理な姿勢で楽器を構えているとやはりアンブシュアも不自然に力んでしまいます。
全体のバランスがとれているとごく一部も力まなくて済む。
ぽいんと③楽器の重みを上手に利用しよう
これはなかなか難しいのですがサックスの重さは地面に向かってかかっていますよね。つまりサックスの重みを上手く下唇に乗っけてしまえばわざわざ
演奏者が力を入れて噛むことも無くなるというわけでーす。
ということでサックスのアンブシュアをリラックスさせて柔軟にするための工夫を書きました。しかし良い音が出る事が最終ゴールです。
これをふまえて、良い音のためには「良い姿勢」や「良いセッティング」や
「良いアンブシュア」そして「良いブレス」のバランスが大切!
まさにチームワークで自分の音を作っていくのです。
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